Red Arrow Therapeutics株式会社は、ポリマー科学の技術を患者に届けたいという思いのもと、薬剤を体内の特定の患部のみにピンポイントで届けるドラッグデリバリー技術の開発を行っている。

今回は2022年度X-HUB OUTBOUND PROGRAM「ロンドンコース」と「ドイツコース」の採択企業である同社CEOの宮崎拓也氏に、どのように海外展開を進めているのか、難しかったことは何か、また同プログラムが役に立ったことは何かについて話を伺った。


それではまず海外展開を目指す目的と現在の進捗状況について教えてください。
開発初期から臨床段階にかけて多額の資金が必要となるバイオベンチャーの特性上、日本にとどまらず、よりバイオ領域全体の資金調達規模が大きな海外で資金調達を行う必要性を強く感じていました。また、日本から海外に技術を届けたいという思いがあります。直近2023年には米国に法人を移し、特に資金調達や事業開発において海外でできないかと日々奮闘しています。

これまで海外展開を進めてきた中で一番課題だと感じたことは何でしょうか?
アクセラプログラムに参加し、直接現地のVCと話した際、前提として現地に拠点がなければMTGすら実施してもらえない現実を知ったことから、資金調達に向けて日本から米国への法人移転の必要性を痛感し、実行しました。単純な移転費用だけでなく法律相談や特許申請などにかかる費用も発生するため、こうした体制整備を進める上では日本で事業開発を行う以上に資金が必要になる点が課題だと感じます。

御社には2022年度X-HUB OUTBOUND PROGRAM「ロンドンコース」と「ドイツコース」にご参加いただきました。X-HUBのプログラムはどのような点で役に立ちましたか?
第一には、もともと米国の他に欧州での資金調達を検討しており、プログラムを通じて欧州に関する情報収集や現地における調達の可能性を見極めることができた点です。欧州展開に関する初期検討の段階で必要な情報を収集できたことで、その後米国中心で資金調達を行う方向性を選択することに繋がりました。第二に、渡航時の訪問を通じてアカデミアやCDMOといったベンダー等と繋がることができ、これは現在も役立っています。

Red Arrow Therapeuticsの今後の展望について教えてください。
引き続き米国におけるシリーズA調達を進めていきます。また、中長期的な戦略として、米国だけではなく欧州や日本の製薬会社とのディールも目指しており、それに向けてグローバルに臨床試験を展開していきたいと考えています。

▼今回お話を伺ったスタートアップ企業のHPはこちら
https://redarrowtx.com/

▼2022年度OUTBOUND PROGRAMの紹介ページはこちら
https://www.x-hub-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/program-past

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