株式会社Asterは「人類を自然災害から解放する」をビジョンに掲げ、「地震犠牲者ゼロ」を目指す。建築物の意匠性を変えることなく耐震性を向上させる塗料を開発し、世界人口の6割が住まう脆弱な組積造住宅の耐震補強として提供している。

今回は2023年度X-HUB SCRUM PROGRAMの採択企業である同社COOの山本氏に、どのように海外展開の準備を進めているのか、どのような困難に挑戦しているのか、また同プログラムが役に立ったことは何かについて話を伺った。


まず初めに、御社が海外展開を目指す目的・理由と現在の進捗状況について教えてください。
もともと私を含めた共同創業者が地震防災に関心があり、大規模地震の死者数の80%は組積造住宅の崩壊に起因するもので、これらの耐震強化が課題という認識が合致していました。海外展開を目指した理由は、そうした組積造住宅の市場は海外だからです。現在、まずは日本と距離が近く参入障壁が低い東南アジアの国・地域で市場調査や現地渡航を実施しています。例えばフィリピンでは、2023年から日系企業に対するtoC/toB向け商談を複数実施しており、日系企業と現地財閥とのジョイントベンチャーや、現地工務店が新規で開発しているミドル~ハイエンド向け住宅に対して導入可能性のアプローチをかけているところです。

海外展開を目指す上で一番課題だと感じることは何でしょうか?
生産能力に対して現地の需要がどれくらいあるのか、輸出にあたり法的面がクリアできるか、現地パートナーに技術力があり信頼できるか、販売価格に輸出費用や関税を上乗せしたうえでもどの程度競争力があるのか。こうした現地の市場感や制度面、エコシステム等に関する具体的な情報を、いかにして手に入れることができるかが課題です。また、今後は人材確保や生産体制の整備、さらには資金調達も課題になると考えています。

御社には2023年度X-HUB SCRUM PROGRAMにご参加いただきました。X-HUBのプログラムはどのような点で役に立ちましたか?
いずれの支援メニューも役に立ちましたが、特に海外VCと交流できたことは役に立ったと感じています。シンガポールのVCから「現地パートナーと協働した上で、まずは動くことが重要」といったコメントを直接いただき、海外展開に関するマインドセットの部分まで変わることができたため、非常に有益でした。

Asterの今後の展望について教えてください。
まずはフィリピンやインド、台湾、インドネシアといった東南アジアの国・地域で現地パートナーや顧客候補との商談、展示会出展を進めていきます。また、今後は現地で動ける人材が必要になってくるため、現地拠点の設立も視野に入れながら進めていければと考えています。

インタビューは本事業運営者のデロイトトーマツの二重橋オフィスにて行いました。
山本様、ありがとうございました!


▼今回お話を伺ったスタートアップ企業のHPはこちら
https://www.dis-aster.com/home

▼X-HUB SCRUM PROGRAMの募集ページはこちら
https://www.x-hub-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/scrum_program

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