株式会社トリニアは通常人間の目では捉えにくい光をリアルタイムにインプット可能な光学システムを開発しており、自動運転時の事故防止やガス検知、山火事監視のための映像ソリューションとして提供することでモビリティやエネルギー、防災などの様々な領域で技術を役立てようとしている。
今回は本事業の2023年度SCRUM PROGRAMおよび2024年度OUTBOUND PROGRAM「ニューヨークコース」と「ヨーロッパコース」の採択企業である同社CEO 深谷氏・CSO 田中氏・CTO 長谷川氏、どのように海外展開の準備を進めているのか、どのような困難に挑戦しているのか、またX-HUBのプログラムで役に立ったことは何か、そして、今後の海外展開に向けた展望について話を伺った。
- それではまず御社が海外展開を目指す理由と現在の進捗状況について教えてください。
- 自社が持つ独自技術をソリューション化するにあたって、用途の深さや広さ、資金調達の活況といった点で海外に期待できると考えて展開を目指している。例えばニューヨークはエネルギー領域の政府系案件が多く、ハードウェア寄りのスタートアップにとっては進出するメリットが大きい。また、こうした方向性はX-HUBのSCRUM PROGRAMに参加した際に出会った海外アクセラの方からも勧められ、海外進出検討の後押しとなったという経緯がある。現在の準備状況としては現地アクセラが提供するコホート(出資と共同研究を同時に行うもの)への申込を完了しており、現地半導体メーカーとの連携も開始したところである。
- 海外展開を目指す上で一番課題だと感じることは何でしょうか?
- 人員体制や海外現地との時差など様々であるが、特に資金調達が課題である。自社の技術を現地マーケットに対応させるための開発費用や人件費に資金が多く必要である一方で、海外VCにとってはスタートアップの開発に対して出資をすることは非常にハードルが高く、エクイティによる資金確保は難しいと感じている。こうした経緯も関係して、資金を得ながら研究開発を進めることができるコホートへのチャレンジを行っている。また、もちろん学びを得ることも重要であるが、資金を得るための活動を行う際に示す信頼性のよりどころとなるような実績も確保するために様々なプログラムへの参加を行っていた。
- 御社には2023年度にX-HUB SCRUM PROGRAM、2024年度にはその発展版となるOUTBOUND PROGRAMにご参加いただきましたが、X-HUBのプログラムはどのような点で役に立ちましたか?
- 2023年度に参加したSCRUM PROGRAMでは、海外のステークホルダーに対して「いかに自社のメッセージに興味を持ってもらうか」という面でスキルをブラッシュアップすることができた。例えばプレゼンテーションの仕方や、ピッチの際に自分たちが目指している市場として相手に伝えるべきビジネス領域の優先順位のつけ方などを習得することができ、これらのスキルは2024年度に参加した現地渡航付きプログラムであるOUTBOUND PROGRAMにおいて、現地のステークホルダーと話をする際に大いに役に立った。また、OUTBOUND PROGRAMでは、メンターから一般的なビジネスのアドバイスを受けるのではなく、現地に赴くことで当社関連事業領域における直接的かつ有益なコネクションを得られる支援を提供していただける点に最大のメリットを感じた。
- トリニアの今後の海外展開の展望について教えてください。
- 今後も資金調達がキーポイントである。国内外の機関から審査や評価を経て資金を確保できたという実績があることで自社の持つクレジビリティが上がり、例えば銀行からの融資が格段に通りやすくなるなど、さらなる資金を呼び込むことができるのではないかと考えている。日本の公的機関の補助金のほか、アメリカ現地の公的機関が募集している補助金や助成金にも積極的にトライし、国内外にまたがった事業展開を更に強化していくつもりである。
インタビューは本事業運営者のデロイトトーマツの二重橋オフィスにて行いました。
深谷様、田中様、長谷川様、ありがとうございました!
▼今回お話を伺ったスタートアップ企業のHPはこちら
https://trinear-inc.com/
▼X-HUB SCRUM PROGRAM(運営:デロイトトーマツ リスクアドバイザリー合同会社)の紹介ページはこちら
https://www.x-hub-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/scrum_program
▼X-HUB OUTBOUND PROGRAM(運営:独立行政法人日本貿易振興機構)の紹介ページはこちら
https://www.x-hub-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/outbound_program
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