海外ビジネスをスタートするにあたって、大切になってくるのが人脈です。海外へ進出しようと思ってもなかなか踏み出せない場合には、まずは人脈を作ることを目指してみてはいかがでしょうか。
人脈づくりといっても、最初に何をしてよいか分からないこともあるでしょう。そこで、人脈を作るために必要なアクションや利用できるサービスなどを紹介します。
海外ビジネスでは人脈が大事
国内でビジネスを手掛けている時も同じことですが、海外でビジネスをスタートし、成功し続けるためには特に人脈が物を言います。国内であれば、海外の遠く離れた土地よりも地の利によって情報を獲得し、自らの脚を使ってさらなる人脈を広げることも可能です。ところが、海外ビジネスをスタートさせようというフェーズではその距離によって集まる情報は少なくなり、その信頼度、鮮度も落ちてしまいます。
いずれ現地へ社員が出向き、駐在するようになればもう少し状況は改善しますが、その前段階、海外ビジネスの検討、計画、準備の段階でこのような状態では先へ進むことができません。そのため、海外でビジネスをスタートさせたい企業は、最初に人脈を広げることが必要なのです。
海外ビジネスの事情に精通している人や自社が目指す国のマーケット事情、文化、習慣などに詳しい人のアドバイスは、インターネットや雑誌などで得られる情報よりも価値が高いと考えられます。インターネットでの検索は今や情報収集に欠かせないもの。しかし、海外進出を考えるにあたっては若干の不安が残ります。
国内の日本語記事には、ごくごく限られた情報しか書かれておらず、その情報のソースも明らかでなく、信憑性に欠けるものすらあります。また、すべてが新しい情報とは限らず、調査ではそれが書かれた時期や記事の内容が示す時期も確認しながら進めなければいけません。
海外ビジネスをスタートし、現地での事業が波に乗ってからも人脈は大切にすべきです。海外市場は日本よりも不安定で変化のスピードも速いことがあります。そのような変化にいち早く対応する際にも、現地の人脈や海外ビジネスに長けた人のアドバイスは役立ちます。
海外ビジネスの人脈を作る
海外ビジネスを始める際に「さあ人脈を広げよう」と考えても、どこから手を付けて良いか分からないこともあります。人脈といってもどのような人とつながればよいか、そしてどこで人とつながるかは難しい問題です。
まずおすすめしたいのは、海外ビジネスに関係するセミナーに参加するなど、海外進出を考えている人の多く集まる場所へ出ていくことです。信頼性の高いSNSなどのコミュニティーも悪くはありません。そういったネット上のものでも、オフラインでの勉強会などが行われていることがあります。
また、海外進出に際して人脈を広げたい人をターゲットとしたビジネスプラットフォームなども盛んになってきています。海外ビジネスに関心の高い人と交流を持つとともに、自社のビジネスにアドバイスをくれるメンターやコンサルタントとのつながりを持てます。海外の各拠点から生の情報を提供し、現地の調査や交渉をサポートしてくれる現地の協力者を探すことも可能です。
公的機関のサービス
公的機関による人脈づくりのサポートもあります。無料で利用できるものもあり、資金の少ない企業にも利用のハードルが低くなります。無料で得られるサービスでは利用範囲やレベルが限られることもあるため、フェーズに合わせて選択的に利用すると良いでしょう。
中小企業基盤整備機構(中小機構)
中小企業基盤整備機構(中小機構)では、ビジネスマッチングサイトの運営や商談会開催など、海外と国内企業をつなぐサポート事業を手掛けています。マッチングサイトの利用は無料で、サイトから申請を行い採択されれば利用可能です。中小企業ワールドビジネスサポート(SWBS)では、ウェブ上や直接、海外進出のサポート団体に出会えます。
日本貿易振興機構(JETRO)
日本貿易振興機構(JETRO)では、海外バイヤーや有識者の招へいや個別商談会、欧州向けのビジネスマッチング、データベースの提供などを行っています。国別のビジネス動向やFTA、EPAなどの情報、産業分野別輸出ノウハウなどを提供するセミナーや海外コーディネーターへの相談などもできます。
東京商工会議所
東京商工会議所では、全国の中小企業向けにアドバイザー企業とのマッチングを行っています。
参考サイト
中小企業庁「中小企業海外展開支援施策集」
まとめ
海外ビジネスをスタートするにあたっては人脈が大切になりますが、人脈づくりのきっかけが掴めず、海外進出計画を停滞させてしまうことも多いものです。人脈づくりの足掛かりとなるさまざまな手段を検討し、まずは一歩を踏み出してみましょう。
計画の浅い段階では、無料で利用できる公的機関のサービスを使ってみることも有効です。海外進出で情報不足や情報収集の限界を感じたら、人脈を広げることから始めましょう。