中国は経済大国であり、日本への経済的な影響も大きな国です。海外進出する企業でなくてもその影響は免れません。将来的に競争相手、取引相手となることもあるでしょう。中国ビジネスの特徴を紹介します。

駆け引き上手の中国企業

日本企業の中には中国企業とのやり取りに苦しむ企業も少なくありません。それは中国と日本の文化的な違いによるところが多いでしょう。中国は交渉術に長けた人が多く、交渉力がある人がトップに君臨します。

特に、中国のビジネスマンが頻繁に用いる交渉術が自分のペースに巻き込むことです。例えば、自分が話を優位に進めやすいように、自社などのホームに呼び出して交渉にあたることも一つの戦略です。

人数を揃えて、数の優位で交渉を進めようとすることも交渉術のひとつです。基本的に交渉術は自分の意見を推し進めるために使われるものなので、相手に対して事前の譲歩収集を怠りません。

このような交渉術は、日本人からするとどこか正々堂々としていないような印象をもつかもしれません。しかし、それは交渉というものに真剣になるからこその行動でもあります。相手のやり方を否定するよりも相手のやり方を熟知したうえで、自社なりの対応を練ることの方が前向きでしょう。

「良いケンカ」をするために

交渉というと一般的に日本人には苦手分野とされることが多いでしょう。しかし、お互いの意見を戦わせる交渉はビジネスのレベルを上げる結果をもたらすこともあります。交渉事を避けるのではなく、「良いケンカ」としてお互いの利益にするにはどのようなことに気をつければいいのでしょうか。

言語の問題

海外進出するうえで、どうしても課題となるのが語学の問題でしょう。通訳がいれば問題ないという事業主もいるかもしれませんが、交渉事では語学を知らないことによって、相手が有利に話を進めやすくなることもあります。

もちろん中国語といっても幅広いため、すべてを網羅して学ぶことは困難です。ただし、見様見真似、挨拶程度であっても中国語を使うことで、交渉相手から評価を得る可能性は高いでしょう。また、数字や固有名詞程度はわかっておくと何かと便利です。中国語を少しでも学んでおくことで、仕事に関する意気込みや意欲を伝えることにもなります。

中国という異文化を知っておく

勝つために力を尽くす中国の考え方は、日本人からすると強引に感じることも多いはずです。しかし、迫力があって声が大きい議論を真っ向から否定してしまうと交渉自体ができません。

相手が強気に出てきたとしても、こちらが身を小さくする必要はなく、むしろビジネスカルチャーであるというように冷静に距離感を持って受け入れましょう。相手があの手この手を使って自分の言う通りに従わせようとしたとしても、しっかりと自分の意思で「ノー」と伝えてください。

自分の意見ははっきりと伝える

日本の風潮としても知られている暗黙の了解や以心伝心は、中国相手のビジネスでは通用しません。契約書の内容についても、曖昧にすることなく細部まで確認を怠らないようにしましょう。また、主張があれば遠慮なくはっきり伝えてください。交渉や契約に関することは証拠をしっかり残すようにおすすめします。

中国に進出して失敗しやすいパターンとは

中国に進出して失敗しやすいパターンとは
いくら事前準備をして中国に進出したとしても、残念ながら事業がうまくいかずに撤退するケースが後を絶ちません。中国に進出して失敗する事業にありがちな特徴をまとめました。

自社製品への自信が過信になっている

どの企業であっても自社製品には自信を持っているはずです。しかし、絶対にこの製品の良さが伝わるはずと思い込んでしまうと失敗してしまいます。日本人に合うものが必ずしも中国人に合うとは限りません。どんなに良い製品でもプロモーションを怠れば成功はしないことがあるでしょう。

中国への知識が乏しい

事業を拡げるうえでマーケティングは欠かせません。しかし、企業によっては中国に関する知識がほとんどないまま海外進出しようとしています。そのため販売したいターゲットも曖昧になってしまいます。

コンサルタント選びを間違える
中国に進出する上でコンサルタントや現地パートナーは心強い味方です。しかし、中には質に課題があるパートナーに当たってしまうこともあります。費用は高くても信用できるコンサルタントを探すようにおすすめします。

まとめ

日本は人口減少が加速し、市場としての成長性に陰りが出ています。そのため日本市場に見切りをつけて、中国に目を向ける事業主もいるでしょう。しかし、中国ビジネスはすぐに成功するような簡単なものではありません。成功までにはいくつものハードルを越える必要があるでしょう。中国でビジネスを成功させるためには、ある程度時間も費用も投資することになると考えておきましょう。

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