海外進出におけるブランド戦略の現状

海外進出においては、販路拡大や現地顧客への浸透のためにブランディング戦略が欠かせません。とはいえ、ブランディングは目に見える成果がすぐに表れにくく、あまり即効性の高い戦略ではありません。そのため、あまり意識しないまま海外進出や海外展開を果たす企業もあります。

ブランディングとは

ブランディングとは、企業が「ブランド」を形成するために行うさまざまな活動・取り組みを指します。消費者に自社の商品やサービスに対しての共通イメージを認識させ、競合他社と区別してもらうために行うものです。

ブランドを形成する要素は、ブランド名やロゴ、キャッチコピーやブランドカラーなどがあります。さらにパッケージデザインやキャラクターもブランドの要素です。ブランドイメージが認識されることで、価格以外の点で差別化ができ、自社の価値を最大化することにつながります。

海外進出にはブランディングが必須

ブランディングは企業や商品にとって非常に重要な価値を持ちます。日本の製品やサービスは優秀で素晴らしいものが多い一方で、その価値に頼り過ぎるあまり、海外進出するにあたりブランディングの確立ができないまま、進出を進めてしまうケースもあります。

ブランディングを確立できないまま海外進出すると、海外の大規模な市場で出会う世界的なブランドや企業のブランド力に負けてしまい、思ったような売上を作ることができない事態にもなりかねません。進出先で競争相手となる世界のグローバル企業は、マーケティング戦略の一つであるブランディング戦略にも長けているのです。

海外進出でブランド戦略が必要な理由

海外進出を果たそうと奮闘する日本人や日本企業は、まずは自社及び自社サービス・商品のブランディング戦略に取組んだ方がいいでしょう。ブランド力はサービス・商品の価値・イメージを高め、シェアを獲得する後押しとなります。

現地での認知度を高める

海外でのブランディング戦略が必要となる理由は二つあります。一つは、日本でのブランド力が通用しないためです。海外進出では、大企業も中小企業も一からのスタートで、日本で有名であっても、現地でそのブランド力は通用しません。

認知度を高め、市場に参入し、利用者を獲得していきます。そのためには、一目でわかったり一言で説明できたりする企業や商品・サービスの価値が必要です。ブランディングは、消費者が理解しやすく、利用する人が共感しやすくするための戦略なのです。

現地のファンを増やす

海外でのブランディング戦略が必要となる理由の二つめは、現地の消費者の中にファンを増やすのに有益であるためです。海外進出を成功させるためには、自社商品の強みを見直し、それが海外で通用するならば、どのような形でそれを表現し、サービスの活用方法を提案すべきか考えなければいけません。

海外でのブランディング戦略

現地のターゲット層に合わせた戦略

海外進出する際には、進出先の国や地域に合わせたブランディング戦略を新たに行わなければいけません。ニーズや嗜好、使い方に準じた商品の活用方法の提案など、現地のターゲット層に合わせたブランドイメージの浸透を目指します。

また、日本で販売・提供していたままでは現地のニーズや好みに合わない場合には、商品自体の調整も必要です。ブランディング戦略では、ロゴマークやイメージキャラクターなどを浸透させるだけでなく、企業や商品のバックにあるストーリーを描くことが大切です。商品のストーリーに消費者は惹かれ、共感していきます。

ニーズを把握するための市場調査

海外では、自社商品が日本国内とは違ったニーズで使われることもあります。ニーズを知るためには現地での徹底したリサーチが必要です。自社商品の現地でのシェアの可能性を探り、ニーズの落としどころを決めましょう。

「日本国内ではこう使われている」という実績は通用しないと思った方が正解です。こうして企業や商品を現地に浸透させ、シェアを伸ばしていきます。ブランドの認知や好感度が高まることで、消費者は自然と商品を選ぶようになっていきます。

海外進出でのブランド戦略の具体的な働きかけ

サービス・商品の見直し

海外進出においてブランド戦略を構築する際には、準備段階から計画的に自社のサービス・商品を見直していくことが大切です。自社商品の性能や優位性、ブランドの知名度を高めるためには、実際に消費者に使ってもらう機会を作ったり、テレビやインターネット上でのコマーシャルを利用したりすることが必要です。現地で受け入れられやすい商品イメージを定着させるにも役立つでしょう。

現地のニーズに合わせた提案

日本製品やサービスの良さは、質の高さやアフターフォローの充実などにも表れています。これらの面で差異化を図るのもブランド戦略として有効です。ただし、その場合にも現地のニーズに合ったサービスの提案が必要となります。

日本から海外進出をする際には、自社製品がその国の国民性や商習慣、食生活に合っているかを検討し、合わない場合には大幅な見直しも必要です。ネーミングやパッケージ、容量やフレーバーなどを現地に合わせてローカライズすることで、新たなブランドの魅力を加えていきます。

まとめ

海外進出でのブランディング戦略は大変重要です。当面の進出先での成功はもちろん、さらに先を見越して、世界を見据えて戦う力を養うことにもつながります。

世界各国の企業は日本よりもブランド戦略を得意としています。競合と対等に渡り合うために、ブランド戦略を重視しましょう。

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hawaiiwater

X-HUB TOKYO
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