海外進出はリスクも大きいため、成功するためには慎重な計画・実施が必要です。海外進出成功のために必要なポイントを押さえておきましょう。

成功例の裏には失敗例もある

海外進出と聞くと、広い世界市場で販路拡大を果たし、世界的な企業へと成長する足掛かりのようなイメージがありますが、そういったチャンスをものにする成功者ばかりではありません。

中には海外進出に失敗してしまい、国内の事業にも悪影響を与えた企業もあることを覚えておきましょう。

日本でも海外進出を行う企業が増えてきて、安易な気持ちで進出を考えている企業も出てきています。国内がダメだから、魅力がありそうだからといった安易な考えや情報しか持たないままで計画を進めてしまうのは危険です。

まずは海外進出の成功のポイントを押さえた慎重な計画とその運用を進めていきましょう。以下は海外進出をしたことのある企業が実施の必要性を強く感じている成功のポイントです。

市場調査


海外進出では、真っ先に市場調査と分析が必要となります。海外市場の規模や現地での需要、競合分析など、調査内容は多岐に渡りますが、成功への道として外せません。

一つひとつ情報を集め、整理、分析しながら、海外進出の可能性を探り、世界各国の各地域から進出先を絞り込みます。サービス内容や商材によって、アジア諸国からアメリカ、ヨーロッパなども視野に入れます。

また、自社の製品やサービスが海外進出に向いていないと判断した場合には、計画の根本的な見直しも必要です。海外向け商品の開発を行う、現地のニーズにマッチしたマーケティング戦略を模索するなど、様々な角度から対策を検討しましょう。

販売先の開拓

海外を市場ととらえている場合、その成功には、販売先の開拓が欠かせません。しかし、国内市場ではシェアを獲得していたブランドや商品でも、初めての海外進出ではゼロからスタートすることになります。そのため販路も一から開拓していくこととなり、その可否が成功のカギを握ることも多いでしょう。

販売先の開拓のためには、以下に述べるアドバイザーや現地パートナー企業との連携や市場調査なども重要な役割を果たします。海外で販売先を求めるにあたって、ただ市場が大きいことに期待するのではなく、現地ローカル企業とどうやって渡り合うか、参入の余地があるかどうかまで、慎重に調べ上げ、開拓の道筋をつけていくことが大切です。

信頼できるアドバイザーや現地企業との連携

信頼できるアドバイザーや現地企業との連携は、特にこれから初めての海外進出をする企業にとって重要になります。海外での事業展開には、日本とは違ったノウハウが必要になる他、国内では得られない情報や知識があります。

また、現地に出向いて視察をする際にも、安全かつ効率良く知りたい情報を得られるサポート役が必要です。こうした役割を果たすのが、アドバイザーやパートナー企業です。

アドバイザー探しには、国内のコンサルティング会社やプラットフォーム事業、各種ネットワークも利用できます。自社のみではこうした人材との出会いは難しいため、外部の団体に情報提供やマッチング、紹介を依頼するとよいでしょう。

また、実際にビジネスを進めるにあたっては、現地で生産や販売などを行ってくれるパートナー企業との提携も必要です。信頼できるパートナー企業を見つけるためにも国内の外部団体からの紹介も利用できますが、現地へ赴き、実際にパートナー企業と交渉を行うことも大切です。

また、自社商品を効果的に扱えるチャネルを明らかにし、パートナー分析も行いましょう。

適切な海外進出担当人材


海外進出においては、人材の選出も重要なポイントとなります。海外進出では国内から現地へと派遣するスタッフが重要な役割を果たしますし、準備段階でも海外進出準備に当たる専任スタッフでチームを作るのが一般的です。

実際の経営では現地スタッフの雇用も進めていきますが、立上げ時には日本人スタッフが中心となる必要があります。

海外進出を担当する人材は、既存社員をそのまま投入するだけでなく、海外要員として新たに日本で求人をかけることもできます。求人募集を行うのであれば、媒体の選択も行う必要があります。

求人媒体にも得意・不得意があるため、転職サイトや転職エージェント、国内外に利用者を持つものなど、それぞれの求人媒体を比較して適したところを選びましょう。既存社員を充てる場合でも、熟練の社員や若手社員などどのような条件や基準で選ぶか、慎重な検討が必要です。

商品・サービスの開発と最適化

海外でビジネスをスタートさせるためには、自社商品やサービス内容の見直しも必要となります。一から海外向けとしてサービス・商品開発を行う必要があることもあります。海外進出においては、自社製品やブランドの販路をただ単純に海外に移しただけでは成功の道は開けません。海外の進出先のニーズや消費傾向、需要に合わせて、自社の商品やサービス内容を調整して最適化することが必要です。

自社製品に自信を持っている企業や、担当者が海外進出を進める場合、既存の商品を柔軟に変化させていくことに抵抗を感じることがよくあります。また、国内で成功した経験のある人はマーケティング戦略も国内の成功体験のままで進めようとします。

ところが、海外では国内での戦略が受け入れられずに挫折や失敗をしてしまうことがあるのです。成功のためには、市場調査で調べた情報を元に、競合や現地の消費者の消費行動へ目を向けて、それに合わせた商品・サービスの最適化を図ることが必要です。

進出先の国の法制度や商習慣の理解

海外進出を行う上で欠かせないのが、法制度や商習慣など、現地でのビジネスの展開方法への理解です。法人設立や工場建設、日本人スタッフの派遣人数など、様々な論点があるため、詳しく調べるとともに「郷に入っては郷に従え」の精神で合わせる姿勢を示すことが大切になります。

実際の手続きなどは、現地の事情に詳しい専門家に依頼することもありますが、外資規制や雇用割合のルールなど、国や地域によっては事業展開しにくいこともあり、事前の調査と分析が必要です。

また、現地の商習慣を理解することこそが、現地に溶け込みビジネスを展開していくためのポイントです。日本独自のやり方では労働者も消費者も付いてきてはくれません。

現地パートナーやローカル企業などとも関係を築き、ローカル企業を手本とした経営やサービス展開を考えてみてもよいでしょう。

まとめ

以上のように、主だったポイントをおさえることで、海外進出の成功へ近づくことが出来ます。多くの成功事例の裏側には、多くの失敗事例があることを知り、定石となる成功ポイントは最低限おさえることで、より安心して海外展開に取り組むことが出来ます。

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hawaiiwater

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